スタッフが120％の力を付ける喜び

子どもの頃から自分でも知らず知らずのうちに料理に興味を抱くようになっていたという森さん。「母親の料理を手伝っていて楽しかったのもありますけど、テレビ番組の影響も大きいですね。ちょうどその頃『料理の鉄人』があったり、姉がSMAPのファンで『ビストロSMAP』の本を買ってきてたりして、ふと気付くと料理に興味を持っていました」と言う。

そんなきっかけで、高校卒業時に調理師専門学校へ進学。「入学当初、ジャンルは決めてませんでしたが、後に働くことになるマンマパスタ金沢文庫店へ研修に行ったんですよ。そこで西洋料理に惹かれました。当時からファミレスでアルバイトはしてましたけど、マニュアル化された店と本格的な店ではこんなに違うんだと気付かされて。料理人の技術がものを言う仕事なんだということに魅力を感じましたね」。

3店舗の調理主任を経て、2018年から調理長を務めている。「調理のほかにスタッフの技術教育にも携わっています。この規模や回転数の店だと自分だけでなく、スタッフの力が必要ですから。初めは100教えて50や60しかできなかったスタッフが120の力を付けると、自分が仕事を覚えた時よりうれしいです」と微笑む。
今年2月には社内コンクール「ジローキッチンコロシアム」で前菜部門1位、総合準優勝に。「まさに『料理の鉄人』的な(笑)。社内の人たちから評価されたのはうれしかったです。改めて自分の料理について気付かされたこともあったり、いい経験になりました」と照れつつも、うれしそうに語った。