オールマイティ目指して日々成長中

小学生の頃はケーキ屋さんにあこがれていたという室伏さんは高校の食品化学科に進学。洋菓子やパン作りを学んでいたが、高校で開催された国際フード製菓専門学校の説明会に参加して興味を持ち、体験入学に通った。「学校に行って初めて、和菓子科の存在を知りました。和菓子に触ったのもその時が初めてでしたけど、テストで上生菓子の練り切りがあって、先生から褒められたんですよ。自分でも手先を使った作業は得意なほうだと思っていましたけど、うれしかったですね。そこから繊細で素朴で、日本の伝統を重んじた和菓子の世界に惹かれていくようになりました」という。

専門学校では2年次から和菓子を専攻。「高校では和菓子については勉強していなかったので、ほとんど何の知識もなくて。あんこのことも知らないし、生地もうるち米や餅米といろいろな材料があることも初めて知ったし、新鮮な知識ばかりでしたね。職場に入ってから、学校で学んだ座学の大事さを改めて感じていますけど『これは学校で勉強したな』と役に立っていることが多い一方で、今でも60〜70歳の先輩がたから教えていただくことばかりです」と謙虚に語る。

今ではさまざまな作業も任されるようになり、後輩も持つ立場に。「先輩を見ながら学んで、自分にできることが増えていくのは楽しいですね。後輩には自分のことだけでなく、上の人との連携を考えて作業するようにとは教えてます。自分もまだまだ見習いなので、今後の目標は探しているところ。今は焼き物もできて、生地も仕込めて、お赤飯もお餅も作れるオールマイティを目指しています」と日々成長中のようだ。