美味しさを追求する尽きないこだわり

衣食住のいずれかで手に職を付けたいと考えて入学した学校で、パンが好きという漠然とした思いで専攻したパンの世界にガッツリとハマったという小森さん。現在の職場からは一度離れ、大阪のパン屋で働いた後に再び戻ってきた。

「大阪の店は野菜を使ったパンに強くて、具材にこだわった店に行きたいと思って入りました。その後、横須賀に戻ってきた時に、ちょうどsoil by HOUTOU BAKERYが立ち上がって、野菜を扱える経験者ということで再就職しました」。オープン当初はすべてをひとりで手がけ、寝る時間もなかったという。「食材の処理もパンの生地も全然安定しませんでしたからね。今はいろいろと安定して、楽しみながらやれてます。どんなパンを作るか決めてから食材を発注するのではなく、食材が来てからどんなパンを作るか決めるので、野菜とも時間とも戦い。毎日どんな野菜が入ってくるか分からなくて、週替わりぐらいで並ぶパンが変わることも珍しくありませんが、その時々の季節を感じられると思います。朝届いた食材が午後にはパンになって店頭に並んでいるのは楽しいですよ」と、この店ならではの喜びも感じているよう。

日々反省と改善を繰り返し、ひとつひとつの商品と向かい合うことを大事にしているという小森さん。「パンだけではなく、野菜の調理ももっと勉強したいし、洋菓子や和菓子のことも学びたいですね。今は特別な日向けの少し高めのパンが多いですが、昔ながらのパンにもこだわっていきたいです。材料にもこだわった上で、なおかつ安く売りたい。普段使い用のパン屋さんにしていきたいですね」と展望を聞かせた。